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2025年7月24日 鉱物の神秘 vol.2 07月09日
~身近で奥深い鉱物の世界を覗いてみませんか~ 私たちの暮らしは、実は数えきれないほど多くの「鉱物(ミネラル)」の恩恵に支えられています。乾電池、スマートフォン、家電…普段は意識することのないこれらの多くは鉱物資源から生まれたもの。 しかし、その一方で鉱物の中には、人体に悪影響を及ぼし、時には命を脅かすものも存在します。今回のセミナーでは、鉱物の不思議な魅力とともに、私たちが気をつけるべきリスクについても詳しく解説します。 『鉱物の神秘 vol.2』では以下のテーマを取り上げます。 鉱物(ミネラル)って何? ― 日常生活と鉱物の深い関わりを基礎から解説 鉱物の条件 ― 「鉱物」と呼ばれるための定義とは? 約4000種の鉱物の世界 ― 地球上で確認されている多様な鉱物たち レアメタルから宝石まで ― 資源としての重要性と美しさの両面を持つ鉱物 人体に悪影響を与える鉱物 ― 知っておきたい健康へのリスク 水銀・ヒ素・カドミウム・鉛の実害の具体例 ― 過去の事例から学ぶ鉱物の“負の側面” 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 題名「鉱物の神秘 Vol.2」 開催日時:2025年7月24日(木) 12時~13時 費用:無料 定員:100名 講師:株式会社ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊 この投稿をInstagramで見る La Belle Vie(@labellevie_mineral)がシェアした投稿 ※お申込みには予医手帳の登録が必要です。 予医手帳はこちら 予医手帳会員登録後、ログインして「お申込み」メニューより参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。 ●申込方法イメージ鉛製の銃弾 鉛汚染はわんこのおやつにも? 07月09日
鉛の毒性は、有害金属の中でもトップクラス。 でも、安価で加工しやすいため、世界中で古くから利用されてきました。 鉛製の銃弾による鉛汚染 猟に使われる鉛製の銃弾は、シカなどの捕獲によく使われているそうです。 有害鳥獣対策としてシカの猟は行われていますが、そのときに使われる鉛製の弾丸が、死んだシカの体内に残り、放置されたシカの肉をワシなどの猛禽類が食べ、鉛中毒になることが問題となっています。 野鳥に広がる鉛中毒 鳥類の鉛中毒が問題となったのは1990年代以降。 北海道では、白鳥やガンが鉛中毒によって大量死しました。 水鳥は消化を助けるために小石を飲みこむ習性があります。そのため、環境に放置された鉛弾を誤って飲みこみ、中毒を起こします。 また、国の天然記念物で、絶滅危惧種であるオジロワシをはじめとする猛禽類は、死んだシカの肉を食べ、鉛中毒になることが多いそうです。 鉛弾の規制は? 近年、鉛を使わない弾への移行が世界的に推奨・義務化されつつあります。 北海道では、10年以上前から全国に先駆けて鉛製の銃弾の規制をしています。 環境省では、2030年までに鉛弾による猛禽類を含む全ての鳥類の鉛中毒をゼロにするという目標を表明し、2025年から段階的な規制を開始します。 シカなど哺乳類の狩猟は規制外 鉛弾の規制は、鳥類保護の観点から行われているもので、現時点では、シカなど哺乳類に対する鉛弾の全国的な使用禁止は行われていません。 しかし、環境省は、鉛による環境汚染や、肉の汚染問題(食肉汚染)を考慮し、鉛を使わない弾への切り替えを推奨しています。 また、地方自治体や一部の猟友会によっては、自主的な申し合わせや、特定の猟場での鉛フリー弾の使用奨励・義務付けが行われているところもあります。 鳥類だけの問題ではない 犬などのペット向けに鹿肉のジャーキーなども販売されていますが、そのシカの猟に鉛弾が使われているのか表示はほとんどありません。 鉛弾で仕留められたシカの肉は鉛に汚染される可能性が非常に高く、それが問題視されています。 鉛弾は、動物の体内で高速で筋肉や骨などの組織に衝突すると、非常に細かく砕け散ります。鉛は比較的柔らかい金属なので、特に破砕しやすい性質があります。 この砕けた鉛の微細な破片は、弾丸が貫通した傷口の周囲だけでなく、弾丸が通過した軌道や、その衝撃で圧力がかかった周辺の広範囲の肉の中にまで飛散します。 また、動物の体内で鉛片が溶け、腸内や肉の組織に鉛が拡散することもあります。 鉛の毒性はとても強い 鉛には閾値(いきち)がありません。 閾値とは、このくらいの量までならとっても健康に問題ないです、という量のこと。 その閾値がないということは、たとえ少量であっても鉛が健康に影響しないとは言えないということです。 鉛の毒性 鉛は強い毒性を持ち、特に造血系、神経系、腎臓に悪影響を与えることがわかっています。 特に脳と神経系に大きな影響を与え、子どもの知能指数低下、多動性、衝動性、注意力低下、情緒不安定などがメンタルヘルスへの影響のほか、子供時代の鉛の濃度が高いほど、誠実性が低く、神経症的傾向が強いという研究もあります。 また、飲食物から鉛を摂取した際の消化管からの吸収量は成人が5~10%であるのに対し、小児では約40%と高くなっています。 発育中の神経系は鉛による障害を受けやすいため、胎児や乳幼児への影響が懸念されています。 20年以上体内に残ります ヒトでの鉛の生物学的半減期は約20年。 「生物学的半減期」とは、体内に取り込まれた物質が、代謝や排出などにより半分になるまでの時間のことです。 体内に取り込まれた鉛は90%以上、骨に沈着します。そのため、体内から排泄されにくく、長期間にわたり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために 鉛製銃弾の規制は、環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために不可欠な取り組みです。 完全に鉛の弾を使わないようにするには、無鉛弾へのスムーズな移行を促すための施策がより一層、求められています。沖縄の「ウナイ」たちが立ち上がる!PFAS汚染のドキュメンタリー 07月08日
最近、メディアで「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にする機会が増えましたね。私たちの身近な生活用品にも使われてきたPFASですが、その有害性が明らかになるにつれて、世界中で規制の動きが加速しています。 先日のブログでもお伝えしましたが、イタリアでは、PFAS汚染をめぐり、三菱商事の元関連会社役員らに有罪判決が下されるという衝撃的なニュースがありました。 このように国際的にも注目が集まるPFAS問題ですが、実はここ日本、特に沖縄でも深刻な汚染が進行しているのをご存知でしょうか? 「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」沖縄の女性たちの闘いを描く 今回ご紹介するのは、そんな沖縄のPFAS汚染問題に焦点を当てた新作ドキュメンタリー映画「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かうhttps://unai-pfas.jp/」です。 沖縄の地で何が起きているのか? この映画が記録しているのは、2016年に沖縄の水道水からPFASが検出されたという県の発表から始まる一連の出来事です。PFASは、水や油をはじく性質を持つ有機フッ素化合物の総称で、焦げ付かないフライパンや防水スプレー、半導体、泡消火剤など、私たちの生活に密接に関わる様々な製品に使われてきました。しかし一方で、発がん性などの人体への有害性が問題視されており、世界各地で規制が進められています。 沖縄では、汚染源と見られる米軍基地への立ち入り調査が度々拒否されてきました。そんな状況下でも、「子供のために諦めるわけにはいかない」と、声を上げる女性たちが連帯し、国連にまで訴えを届けようと奮闘する姿が本作には映し出されています。 タイトルの「ウナイ」とは、沖縄の言葉で「女性たち」を意味します。監督を務めたのは、「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」などで知られる平良いずみさん。平良監督自身も、新生児の母として「生まれたばかりの息子に水道水で作ったミルクを与えていた」ことを知り、「絶対、許さない」という強い思いから撮影に至ったと言います。 国境を越える女性たちの連帯 そして、この映画の注目すべき点は、沖縄の事例だけでなく、前述のイタリアでのPFAS汚染問題についても取材し、現地の当事者たちの声も記録されていることです。平良監督は「気付いた時には、世界の至る所で汚染問題の解決を求め立ち上がった女性(ウナイ)たちに出会い、言葉の壁を越え想いが通じ合う瞬間を何度も経験しました。汚染問題に直面した彼女たちはどう生きたか……。」と語っています。 絶望を希望に変える「ウナイ」たちの姿 「この先、この社会がきらいになりそうな人にこそ見てほしい。絶望の涙を、ひとしずくの希望にかえて立つ女性たちの姿を」という平良監督のメッセージは、私たちに深く響きます。 「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」は、7月26日に沖縄・桜坂劇場で先行公開された後、8月16日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開されます。 彼女たちの闘いは、私たち自身の未来にもつながる、決して他人事ではない問題です。07月07日
予医手帳 毛髪中テストステロン値 10.5pg/mg 男性力年齢 25歳 コメント テストステロン値は、年齢より若い層の水準に近く、内面的な“若さ”や体内環境が若々しく保たれている可能性を示唆しています。この若々しい状態を保つには、今の生活習慣を無理なく継続していくことがポイントです。引き続き睡眠・運動・食事などの健康管理を意識しましょう。 1.テストステロンとは? テストステロンは、卵などの食品に含まれるコレステロールを材料として、体内で生合成される男性ホルモンの一種です。合成されたテストステロンは血中に分泌され、全身のさまざまな組織に作用します。男性の場合、テストステロンの約95%は精巣(ライディッヒ細胞)で、残りの約5%は副腎皮質で合成されているとされています。血液中に分泌されたテストステロンは遊離型、アルブミン結合型、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)結合型と3つの形態に分類されます。 遊離型テストステロン 全体の約1~2%を占め、タンパク質に結合していないため、組織に取り込まれやすく、生物活性が最も高いとされています。 アルブミン結合型テストステロン 血清中のタンパク質の「アルブミン」と結合しており、全体の約25〜65%を占めます。結合は比較的ゆるやかで、一部は必要に応じて遊離型に戻り生体で利用されます。 SHBG(性ホルモン結合グロブリン)結合型 血液中のSHBGと強く結合して存在しているため、直接的な作用がない不活性型とされています。 2.年齢とテストステロンの関係 男性のテストステロン値は、加齢とともに徐々に減少していくのが一般的で、これは自然な生理現象です。おおよそ年間1〜2%のペースで減少するとされており、60代になると20代のピーク時と比較して約半分程度にまで低下するといわれています。テストステロンが低値になると、糖尿病や高血圧やメタボリックシンドローム、動脈硬化など、生活習慣病のリスク要因となることが報告されています。特に40代以降の男性にみられる「男性更年期障害(LOH症候群)」の主な原因は、テストステロンの過度な減少によって引き起こされる症状です。そのため、テストステロンの低下は単なる加齢現象だけではなく、心身の健康や生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があるため、適切な対策や意識が必要となります。 3.テストステロンが低くなる要因 体重 一般的に、肥満の男性ほどテストステロンの量は少ないとされています。特に内臓脂肪の蓄積は、ホルモンバランスに悪影響を及ぼしやすく、テストステロンの合成や代謝を阻害する要因となる可能性があります。 海外では、テストステロン欠乏症の検査を受けた男性3671名(60±12歳)を対象に、年齢とBMI及びSHBG結合型テストステロンの関係について解析されています。その結果、対象者の年齢とBMI(体格指数)をそれぞれ3等分し比較したところ、加齢に関らずBMIが増加するほどSHBG結合型テストステロンが低下する傾向があることが明らかにされています。 また、平均年齢52歳の男性864名を対象に行われた調査では、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満・高血糖・高血圧・脂質異常などを含む)を有する男性は、健康な男性と比較してテストステロン値が有意に低いことが明らかになっています。そのほか、多くの研究で体重や体型とテストステロン値の間に同様の傾向があることが報告されています。体重の増加やBMIの上昇は、体格の変化だけではなく、生理的なストレスとなりテストステロンの合成や代謝プロセスに影響を及ぼす可能性があります。 運動 テストステロンは適度な運動によって分泌が促進されることが知られており、運動不足の状態ではテストステロンの分泌が低下する可能性があります。特に、筋力トレーニングや有酸素運動を定期的に行うことで、血中のテストステロン濃度を上昇させる効果があります。しかし、過度な運動や慢性的なオーバートレーニングは、むしろテストステロンを減少させてしまう可能性も指摘されています。実際に、毎週60km以上を走る習慣のある男性(31名)と、運動習慣のないデスクワーク中心の男性(18名)を比較した研究では、デスクワーク中心の男性の方が血中テストステロン濃度が高かったという結果が報告されています。さらに、マラソンやトライアスロンなどの持久系競技に取り組む男性アスリートの一部においても、慢性的な肉体的ストレスによってテストステロンが低下しているケースが確認されています。 睡眠 テストステロンは、主に睡眠中に分泌が促進されるホルモンであり、特に体が十分に休息・回復することで、朝方に最も高い血中濃度を示すのが一般的です。そのため、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)など、睡眠障害を抱える人では、テストステロン値が低下する傾向があることが確認されています。ある研究では、1週間にわたり1日5時間未満の睡眠に制限したところ、十分な睡眠をとった場合と比較して、テストステロンの血中濃度が10〜15%減少したという結果が得られています。このホルモンの減少は、10〜15歳分の加齢による変化に相当するレベルと推定され、睡眠不足がテストステロンに与える影響が大きいことを示しています。 喫煙 喫煙がテストステロンの分泌に与える影響については、現在も明確な結論は出ていません。一部の研究では喫煙によりテストステロン値が上昇すると報告されている一方で、逆に低下するという研究結果もあります。喫煙の影響が個人の体質やホルモンバランス、喫煙歴・喫煙量、年齢や生活習慣など複数の因子によって異なるためと考えられます。ただし、喫煙が健康全般に与える悪影響は明確であり、ニコチンは毛細血管を縮小させ血液の流れを悪くし、酸化ストレスを増大させます。これらの要因は、テストステロンの分泌や生殖機能、男性ホルモンのバランス維持などに悪影響を及ぼす可能性が高いと考えられます。 4.テストステロンが低い場合のリスク テストステロンは、筋肉量と強度を保つのに必要なだけではなく、内臓脂肪を減らし、造血作用、生殖機能を保つのに必要です。また、集中力やリスク判断などの精神機能にも関係しています。一方で、テストステロンが低下するとインスリン感受性が悪くなり、メタボリックシンドロームになりやすく、内臓脂肪増加や筋肉量減少、骨密度減少、認知機能など多岐にわたるリスクとなります。これらの影響は、特に40~60代の男性に発症しやすい「男性更年期障害(LOH症候群)」として現れることがあり、その主な原因は加齢に伴うテストステロンの分泌低下と考えられています。 5.テストステロンが過度に高い場合のリスク テストステロンは筋肉量の増加や健康的な体形や活力の維持などに役立ちますが、過剰なテストステロンの状態が続くと健康上のリスクが高まります。主な影響は、心臓や血管への負担、前立腺の肥大、副腎への影響によるホルモンバランスの乱れ、感情の不安定化などが考えられます。 また、病気の治療に使用される量で問題を起こすことはほとんどありませんが、タンパク質同化ステロイドやテストステロン補充療法により、テストステロンが過剰に高くなる可能性があります。 6.テストステロンを増やし維持するには? 運動 高いレベルの身体活動量や、ウォーキングやジョギングを中心とした有酸素性運動は、血中テストステロン濃度の増加に重要な役割を果たすとされています。 特に、血中テストステロン濃度の改善を目的とした運動療法では、1回あたり40〜60分程度の有酸素性運動を週に3日以上継続して実施することが推奨されています。このような習慣的な運動が、ホルモンバランスの正常化や生活習慣病予防にも寄与します。 また、有酸素運動の中でも、比較的強度の高い速めのウォーキングや軽いジョギングといった中強度の運動が、テストステロン分泌をより効果的に促進する可能性があると指摘されています。 さらに、有酸素性運動能力や筋力が高いことは、加齢に伴う男性ホルモン低下症(LOH症候群)における諸症状に対して、保護的に作用することが報告されています。 また、病気の治療に使用される量で問題を起こすことはほとんどありませんが、タンパク質同化ステロイドやテストステロン補充療法により、テストステロンが過剰に高くなる可能性があります。 食事 肥満や糖尿病は、テストステロンの分泌を低下させる要因であり、食生活はその背景に深く関与しています。近年の研究では、食事の内容がテストステロンの分泌に影響を与えることも明らかになってきています。 例えば、低脂肪食や植物性食品を中心としたカロリー制限食によってテストステロンが上昇することが報告されています。一方、極端なカロリー制限はテストステロン低下の原因となる可能性があるため注意が必要です。 また、特定の食品がテストステロンに及ぼす効果についての研究は限られており、明確なエビデンスは少ないのが現状です。食事のみでテストステロンを増やすことは難しく、運動と組み合わせることでテストステロンの上昇が期待できます。 脂肪分が多い魚 イワシやサーモンなど脂肪分の多い魚には、ビタミンD、亜鉛、オメガ3脂肪酸などのホルモン分泌に必要な栄養素が豊富に含まれています。また、テストステロンを維持するために重要な亜鉛とビタミンDの優れた供給源でもあります。 濃緑色野菜 緑色野菜の摂取量が少ない人は、血液中のテストステロン値が低い傾向にあり、テストステロンが体内で十分に作られない性腺機能低下症を発症するリスクが高かったとの報告があります。 例えば、ホウレン草やニラ、チンゲン菜、ブロッコリー、ピーマン、春菊、モロヘイヤなどが該当します。 アボカド アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど栄養価の高く、良質な脂質が豊富に含まれている野菜です。 特に豊富に含まれているビタミンEは、テストステロンの分泌を促す黄体形成ホルモンを上昇に関係していることが確認されています。 また、含有量の多いホウ素は、体内のテストステロン代謝に影響を与え、テストステロンの劣化を防ぐ可能性が指摘されている微量成分です。 卵 卵は良質な脂質やタンパク質のほか、体内で抗酸化物質として働くセレンが含まれています。不妊男性がセレンを3か月間毎日50µgのセレンを摂取したところ、血液中のテストステロンや黄体形成ホルモンが増加したと報告されています(成人男性推奨摂取量:30~35µg/日、耐用上限量400~450µg/日)。また、セレンは特定の遺伝子の発現を活性化することで、テストステロンの生成を促進する可能性があります。 貝類 アサリやシジミ、牡蠣などの貝類に多く含まれる亜鉛は、テストステロンの分泌を促す、黄体形成ホルモンの合成に関与しています。また、食事中の亜鉛の増減によってテストステロン増減し、血液中の亜鉛とテストステロン濃度に相関することが報告されています。 睡眠 テストステロンの分泌は日内リズム(サーカディアンリズム)に従って変動しており、早朝(特に起床直後)に最も高くなることが知られています。これは、夜間の深い睡眠中にテストステロンの合成が促進されるためであり、質の良い睡眠が十分に確保されていることが、正常なホルモン分泌には不可欠となります。 また、テストステロンをはじめとするホルモンの多く、たとえばメラトニン(睡眠誘導ホルモン)や成長ホルモン(筋肉・骨の修復・代謝に関与)も、夜間に分泌が増加することがわかっています。 とくにテストステロンの合成が活発になるのは、深夜1~3時頃の睡眠中の時間帯になります。この時間を含めて6時間以上の連続した質の高い睡眠をとることが、テストステロンの安定した分泌を促すために必要となります。 7.テストステロンとサプリメント テストステロンの分泌は、加齢や生活習慣、ストレス、睡眠、栄養状態など、さまざまな要因の影響を受けて変動します。特に栄養素の不足は、ホルモン合成に必要な酵素や補因子の機能低下を引き起こし、テストステロンの低下を招く可能性があります。 近年では、こうした背景をふまえて、特定の栄養素や成分を補う目的でのサプリメント摂取が注目されています。 ただし、サプリメントはあくまでも栄養補助の手段であり、食事や運動、睡眠といった生活習慣の改善が基本となります。 亜鉛 男性において、亜鉛は前立腺や精巣などの性腺組織に高濃度に存在し、性ホルモン(特にテストステロン)の合成や精子の生成に深く関与しています。 亜鉛とテストステロンの関係についてはよくわかっていませんが、毛髪中の亜鉛濃度が高い男性ほど、血液中のテストステロン濃度が高い傾向があると報告されています。 また、臨床研究や動物実験といった複数の論文を統合して分析した報告では、「亜鉛とテストステロンには正の相関がある」と結論づけられています。この報告によれば、亜鉛が欠乏するとテストステロンの量が低下し、亜鉛を補給することでその濃度が回復することが確認されています。 ただし、動物実験では亜鉛の投与が生理的範囲内であればプラス効果が得られたのに対し、過剰投与では逆に男性機能に悪影響を及ぼしたという報告があります。 そのため、亜鉛は不足しないように適量を維持することが重要であり、サプリメントで補う場合も推奨摂取量(成人男性推奨量9.0~9.5µg/日、耐用上限量40~45µg/日)を守ることが大切です。 マグネシウム マグネシウムは体内で300種類以上の酵素反応に関与し、ホルモンバランスや内分泌系の調節に重要な役割を果たしています。 ある研究では、マグネシウムの補給(体重1kgあたり10mg)が運動する男性と運動不足の男性の両方でテストステロン値が上昇することが確認されています。この報告では、特に定期的に運動している男性において、顕著にテストステロン値が上昇したと報告されています。 ビタミンD ビタミンDは骨の健康だけではなく男性の生殖機能にも関与していることが知られています。これは、精巣のライディッヒ細胞(テストステロンを産生する細胞)に、ビタミンDを活性化する酵素が多く存在するためと考えられています。 ある研究では18.4~21.8歳の男性300名を対象に血液中のビタミンDと精子の運動性について調査した結果、血液中のビタミンD濃度が高いほど、精子の運動率や前進運動率が有意に高いことが報告されています。 また、別の研究では、健康な肥満男性165名に対して1日83μgのビタミンDを1年間補給ところ、血液中のテストステロン値が有意に上昇したことが確認されています(成人男性目安量9.0µg/日、耐用上限量100µg/日)。 マカ マカは南米に植生する多年生植物の根を使用したサプリメントです。マカエキスを含む清涼飲料水の摂取により、男性更年期障害チェックシート(AMSスコア)の有意な上昇が観察されています。その一方で、マカを摂取してもテストステロン値に変化が見られなかったとの報告もあります。 カルニチン カルニチンは肉類の赤身に多く含まれるビタミン様物質です。カルニチンの摂取はテストステロン値に影響を及ぼさなかったと報告されていますが、動物実験ではテストステロン値を上昇させるとの報告があります。 コエンザイムQ10 コエンザイムQ10(ubiquinone)は食肉に多く含まれるビタミン様物質です。コエンザイムQ10の300mg摂取によりテストステロン値に上昇傾向がみられたと報告されている一方、300mg摂取しても変化がみられなかったとの報告もあります。 クレアチン クレアチンは筋肉へのエネルギー供給にかかわる有機酸の一種であり、筋肉増強目的のサプリメントに含まれることがあります。クレアチニンとβアラニンの併用でテストステロン値を上昇させたとの報告はありますが、多くの論文で変化が見られなかったと報告されています。 ニンニク 生のニンニクを多量に摂取すると精巣機能を低下させ、逆にテストステロン値を低下させることが報告されています。ニンニクにテストステロン値を上昇させる効果があるかどうかについては、ヒトでの報告が少ないのが現状です。 プロバイオティクス プロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌など腸内環境を改善し、健康に良い影響を与える微生物のことです。動物実験でプロバイオティの摂取により、テストステロン値の上昇が確認され、ヒトでも同様にテストステロン値の上昇が報告されています。 ローヤルゼリー ロイヤルゼリーはミツバチが分泌する乳白色のクリーム状物質です。動物実験でロイヤルゼリー摂取自体でのテストステロン値の上昇が認められています。ヒトでもロイヤルゼリー3gを6ヵ月間摂取するとテストステロン値が上昇したとの報告があります。 フェヌグリーク フェヌグリークはハーブや香辛料としてインドや中東・アフリカで栽培されているマメ亜科の植物です。フェヌグリークの摂取によりテストステロン値が上昇することが複数の論文から検証した報告で示されています。動物実験ではカドミウムによるテストステロン値の低下を抑制することも報告されています。 8.その他オススメの検査 毛髪コルチゾール検査 テストステロンとコルチゾールは、体内で拮抗する関係にあります。ストレスホルモンであるコルチゾールが高いと、テストステロンの分泌が抑制されることが多くの研究で示されています。 たとえテストステロン値が正常であっても、コルチゾールが高い状態が続くと、筋力低下・疲労感・睡眠の質の低下・体脂肪の増加といった、将来の健康に影響するリスクが高まる可能性があります。 テストステロン検査とあわせてコルチゾールもチェックすることで、ホルモンバランス全体を正しく把握でき、より効果的な予防・対策が可能になります。 毛髪ミネラル検査 ミネラルは、テストステロンの合成や代謝に関与する重要な栄養素です。 亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが不足していると、いくら食事や運動に気をつけていても、ホルモンがうまく働かず、疲れやすさや活力の低下が続く可能性があります。 また、鉛・カドミウムなど有害金属の蓄積があるとホルモンバランスに影響を与えることもあります。 テストステロン検査と毛髪ミネラル検査をあわせて行い、ホルモンとミネラルの両面を確認することで、より深くご自分の体を理解することができるようになります。水筒で銅中毒に! 07月04日
暑い季節がやってきました。 この時期、熱中症予防のために水筒に飲み物を入れて持ち歩く方も多いと思います。 でも、それが銅中毒を引き起こしたという事故があります。 銅は必須ミネラルだけど、、、 銅は、生きていくうえで欠かせないミネラルの一つです。 でも、過剰に摂ると吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあります。 水筒で?! 銅は実際に起きた事故 2020年、大分県の高齢者福祉施設で、古いステンレス製のやかんでイオンドリンク(スポーツ飲料)を作り飲んだところ、施設利用者13名全員が嘔吐・はき気症状を起こし、その後の調査で銅中毒だと判明しました。 2008年には、水筒に入れたスポーツ飲料により、水筒の金属に含まれる銅が溶けだし、銅中毒事故が起きています。 ステンレスに含まれる銅が酸性のイオンドリンクによって溶け出したために起こったものです。 ステンレス製の水筒にスポーツ飲料を入れて部活の練習に行く子供にもたせる、なんて、すごくよくあることなのに! さらにっ 2010年には、保育園でアルミ製のやかんに入れた乳酸菌飲料を飲んだ園児15人が、銅中毒になっています。 このやかんには銅は使われていませんでしたが、日常的にお湯を沸かすために繰り返し使われていたため、水道水に含まれる微量の銅がやかんに蓄積されていたそうです。 →そのやかんに乳酸菌飲料を入れ→乳酸菌飲料の酸で銅が溶けだしたために起こった事故と考えられています。 金属製の容器に酸性の飲み物を保存するのは、避けたほうがよさそうですね。 鍋でも! 銅の鍋とかフライパンとか、すごくプロってイメージありませんか? ピカピカに磨かれた銅鍋がずらーっと並んでいる高級フレンチレストランのキッチン! 銅は、熱伝導率が高く、蓄熱性にも優れているため、優れた調理器具としてプロに愛用されています。 でも、銅製の鍋でも銅中毒が起こっています。 とあるお弁当屋さんで、銅中毒が発生したのです。 この店では普段、銅の鍋で小豆を煮ていたそうですが、その鍋を使って焼きそばを作ったところ、焼きそばのソースの酸で銅が溶けだし、集団食中毒になってしまったとのことです。 現在販売されている銅の調理器具や食器は、食品が直接銅に触れないようにメッキをしなければいけないと食品衛生法で定められています。 銅鍋の内側が銀色なのはこのためなのですね。 しかし、金属のたわしでゴシゴシこすったり、酸性の食品を長時間煮込んだり、保存したり、空焚きをしたりすることで、メッキがはがれて食品が銅に触れてしまう場合があるそうです。 台湾では、死亡事故も また、こちらは「銅」とされたわけではないのですが、台湾で、約10年間、同じ保温ボトルを使い続けた男性が「重金属中毒」で亡くなったと報じられました。 この男性は、水筒の内部がサビていることに気がついていたにも関わらず、コーヒーやジュースなどの酸性飲料を入れていたそうです。 報道では「重金属」とされ、鉛などの可能性も指摘されていますが、どちらにしても、酸性飲料が金属を溶かして中毒を起こした事例です。 食中毒の季節ですが、銅中毒にもご注意を! ますは、金属製の容器に酸性の飲み物を入れない。 銅製の調理器具を使用する場合は、 調理後はすぐ陶器やガラス製など金属製以外の別の容器に移す 酸性の強い食品での長時間調理・保存は避ける 空焚きしない たわしなどでこすらない ちなみに、 酸性の飲み物とは スポーツ飲料・乳酸菌飲料・果汁・炭酸飲料など 酸性の強い食品とは 酢 柑橘類全般: レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど。 ベリー類: イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど。 パイナップル、キウイ、リンゴ トマトとその加工品: トマトソース、トマト缶、ケチャップなど。 カレーや一部の香辛料 ワイン、ビール、日本酒などの酒類 炭酸飲料 ヨーグルト、キムチなどの発酵食品 など熱中症は「隠れミネラル不足」に要注意! 07月14日
今年の夏も猛暑が予想されていますね。 消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。 水分補給だけで本当に大丈夫? 「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。 熱中症って、どうして起こるの? 私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。 これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。 ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち 「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。 ナトリウム:水分バランスの司令塔 体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。 カリウム:筋肉や神経のサポーター 細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。 マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち 神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。不足すると、けいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。 カルシウム:骨や歯だけじゃない! 神経や筋肉の働きにも欠かせません。汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。 子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生! 日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。 時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。 注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。 (参考文献:Characteristics of pediatric patients with heat-related illness transferred to emergency departments: descriptive analysis from Japan) 今日からできる!ミネラル補給のポイント では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか? 1. 水分補給は「何を飲むか」が重要! ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。 スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎ ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。 2. 食事からもバランス良く! 毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。 ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。 カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。 マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。 カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。 今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。 特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。青春は貧血の季節? 思春期の鉄不足 07月11日
先日、友人の中学1年生になる息子さんが軽い貧血と診断されました。鉄は、もっとも不足が懸念されているミネラルの一つ。そこで今回は、思春期の貧血についてです。 体は急速に大きくなる思春期は、鉄の必要量が高まります。 また、女子は、月経が始まる人が増え、出血により鉄を失うため、鉄の需要はさらに高まります。 そのため、12歳から17歳の鉄の必要量は、大人よりもずっと多く、貧血になりやすい時期ともいえます。 ほとんどは鉄欠乏性貧血 この時期の貧血は、ほとんどが鉄の摂取不足による鉄欠乏性貧血です。 こんな症状があるなら、鉄が不足しているのかもしれません。 朝起きられない 集中力、注意力が低下している だるい、めまいがする イライラしやすい 頭痛 ※ほかの病気でも、これらの症状がみられることがあります。 スポーツ貧血 さらに、運動が原因で生じる貧血を「スポーツ貧血」といいます。 スポーツをする人特有の原因としてこれらがあげられます。 ① 鉄の需要が高まる 成長や筋肉量が増えると、必要とする鉄の量も増えます。② 鉄の摂取不足 必要量が増えているのに、食事などから摂取する鉄が少ない③ 溶血(赤血球が壊れる) ランニング、バレーボール、バスケットボール、剣道など足の裏への強い刺激が繰り返される競技では、足の裏の毛細血管が壊れ、貧血になることがあります④ 失われる鉄が増える 大量の汗をかくと、わずかに汗に含まれる鉄も一緒に失われます。 鉄の貯蔵庫 鉄は、体でいろいろな働きを担う重要な栄養素なので、鉄が不足した場合にそなえて貯蔵庫を持っています。 それが肝臓です。 肝臓にはフェリチンをいわれる鉄が貯蔵されています。 食事などからとる鉄の量が不足すると、肝臓からフェリチンを放出して、体が必要とする鉄の量を維持します。 え?貧血と診断された? それはつまり、鉄の摂取量が不足する状態が続き、貯蔵してある鉄も使い果たしてしまったという状態なのです。 貧血にならないために まずは食事。食品に含まれる鉄には、赤身の肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類、豆類などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収率が良く、胃壁や腸管を荒らしにくく、さらに、食物繊維やタンニンと一緒に摂っても吸収が妨げられにくいという特徴があります。でも、日本人が食事から摂取する鉄の85%以上は吸収率の低い非ヘム鉄です。鉄不足を効果的に予防するためには、非ヘム鉄だけでなく、吸収性の高いヘム鉄が豊富な食品をバランスよく摂取することです。 鉄を吸収しやすくする ビタミンC ビタミンCは、鉄(非ヘム鉄)の吸収を促進します。ビタミンCを豊富に含む食品(オレンジ、レモン、イチゴ、トマトなど)を食事に追加することで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます。 酢や酸味のある調味料 酢やレモン汁などの酸味のある調味料も非ヘム鉄の吸収を促進します。食事にこれらの調味料を加えることで、鉄の吸収が改善されます 鉄を豊富に含む食品と組み合わせる ヘム鉄を豊富に含む食品(赤身の肉、鶏肉などの動物性食品)と一緒に非ヘム鉄(豆類、ホウレン草などの植物性食品)を摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を向上させることができます。 サプリメントでの摂取には注意が必要 食事で鉄を過剰に摂ってしまうことはほとんどあり得ませんが、サプリメントでの鉄の摂取には注意が必要です。鉄は、過剰になると体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけます。鉄のサプリメントは医師の処方以外ではあまりおススメできません。 鉄の吸収を阻害するもの カルシウム: カルシウムは鉄と化学的性質が似ているため、鉄の吸収を阻害することがあります。牛乳を毎日、大量に飲んで貧血になることを「牛乳貧血」と名付けられています。もちろん、カルシウムは大切な栄養素の一つなので、適切な量のカルシウムをとることはとても大切です。 タンニン: コーヒーや紅茶、煎茶などに含まれる「タンニン」は、鉄(非ヘム鉄)の吸収を阻害する成分の一つです。 タンニンが鉄と結合して水に溶けにくくなるので、食事中や食事の直後に摂るのは避けましょう。 フィチン酸: フィチン酸は、穀類や豆類などの外皮部分に多く含まれ、体内に入ると鉄や亜鉛と強く結合し、水に溶けない不溶性の成分に変化するため、吸収されずそのまま排泄されてしまいます。健康や美容のために玄米を主食としている人は、鉄が効率よく吸収されない可能性もあるので注意する必要があります。 シュウ酸:シュウ酸は非ヘム鉄と結合して、鉄の吸収が阻害されることがあります。シュウ酸は、穀物や一部の野菜に比較的高い濃度で含まれています。たとえば、ホウレン草やタケノコのアクに多く含まれますが、シュウ酸は水溶性なので、下茹でをしてアク抜きをすると70~80%のシュウ酸が水に溶けだします。 誤ったダイエットは禁物 その他に、このころから特に女の子のダイエットが多くなります。 極端に食事を減らしたり、偏った食事になったりすることで、成長に必要な栄養素がとれなくなることもあります。 心と体が急速に成長する思春期にこそ、バランスの良い食生活を送らせてあげたいですね。【書籍紹介】飼い主が獣医師を超えた日 07月10日
ら・べるびぃ予防医学研究所で「愛犬ミネラル検査プレミアム」「愛猫ミネラル検査プレミアム」のアドバイスをお願いしている サニーズアニマルクリニック院長・櫻井先生の書籍が発売されました。 書籍はこちらからです。(kindleのみです) 飼い主が獣医師を超えた日 Amazonで紹介されていた本書の「はじめに」がステキだったので、そのまま転載させていただきます。 ▼今まで諦めずにここまできた飼い主さんへ・すでにいくつも動物病院へ行って、何かしらの改善策を実施したけど、改善しない。・ペットのために、いろいろ手を尽くせば尽くすほど、身も心も疲弊してしまっている。・獣医さんに「治らない病気」と言われても納得できず、治る方法は本当にないのか?と思ってしまう。でも、こんな自分の考えや行動がおかしいのか?とも思うから、周りに聞くこともできない。こんなに悩んでいるのは私だけ?こんなに獣医師に不信感を抱いているのは私だけ?周りは敵だらけ…そんなふうにいつの間にか孤独感にさいなまれている…実は、そんな飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。そんな風に、不安の中で孤独に、 あなたは今まで、どれだけ頑張ってきましたか?この本を開いた今日が、あなたとその子の新しい記念日です▼治療の主役は飼い主である勤務医時代、僕は毎日、対症療法で再発を繰り返す動物たちと向き合っていました。抗生剤、ステロイド、ケイレン止め、ホルモン剤――その場限りの手術に、副作用の強いワクチン…。痒み止めの薬を飲めば痒みは止まるかもしれない。でも薬をやめればまた痒みは再発する。ケイレン止めの薬を飲めばケイレンは治るかもしれない。でも薬をやめればまたケイレンは再発する。パテラ(膝蓋骨脱臼)で膝の手術をすれば膝は外れなくなるかもしれない。でも筋肉によって関節が保護されたわけでも筋肉が付きやすくなったわけでもないから、また次の関節の疾患になっていったり、筋肉の低下が生じ動きが悪くなれば、全体的な動きは低下し、それにより消化器の機能も落ちて、次は膵炎になっていったりする…。治す立場でいながら、「治していきましょう」と言いながら、心の中では治らないことを知っています。繰り返すことを知っています。また時間が経てば、忘れた頃に違う症状になって出てくることを知っていました。何よりも…飼い主さんがこころから笑っていないことを知っていました。そんな毎日に、僕の心は少しずつ蝕まれていきました。「本当に、これでいいのか?」そこから「本当の意味での治療とは?」を飼い主さんと模索する日々が始まりました。その中でペットの病気を治す仕組みを発見し、その仕組みを動かす主人公は、専門家である獣医師ではなく、「飼い主」であることが見えてきました。▼見えづらい世界を見えやすくする僕ら専門家の仕事は「見えづらい世界の見えやすくすること」です。今回のこの本では飼い主さんが生み出したうそのような本当の話(根本治療)をご紹介しつつ、その仕組みを説明させていただこうかと思います。これは決してスピリチュアルな話ではありません。 近年の脳科学、量子物理学、行動心理学の分野でも、科学的に証明されているものもあれば、まだわからないこともあります。それらも含めて、できる限りわかりやすく、ご説明させていただければと思います。この本では、そうした科学的な視点からの解説を織り交ぜながら、 飼い主さんが「本当の意味でペットと生きる力」を少しでも手にしていけるように構成させていただきました。伝えきれないこともたくさんありますが、クリニックで根本治療として行っている飼い主さん用のトレーニングなども一緒にお楽しみいただければと思います。今、僕のまわりには 根本治療の中で自らの力を磨き、 ペットの命と向き合い、改善を量産する飼い主さんがたくさんいます。だから、あなたも大丈夫。「飼い主が獣医師を超えた日」それは、誰かの特別な話じゃない。 あなたの本当の物語を、今ここから始めましょう。ようこそ、飼い主さんたちの可能性が広がる世界へ。 書籍はこちらから。(kindleのみです) 飼い主が獣医師を超えた日2025年7月24日 鉱物の神秘 vol.2 07月09日
~身近で奥深い鉱物の世界を覗いてみませんか~ 私たちの暮らしは、実は数えきれないほど多くの「鉱物(ミネラル)」の恩恵に支えられています。乾電池、スマートフォン、家電…普段は意識することのないこれらの多くは鉱物資源から生まれたもの。 しかし、その一方で鉱物の中には、人体に悪影響を及ぼし、時には命を脅かすものも存在します。今回のセミナーでは、鉱物の不思議な魅力とともに、私たちが気をつけるべきリスクについても詳しく解説します。 『鉱物の神秘 vol.2』では以下のテーマを取り上げます。 鉱物(ミネラル)って何? ― 日常生活と鉱物の深い関わりを基礎から解説 鉱物の条件 ― 「鉱物」と呼ばれるための定義とは? 約4000種の鉱物の世界 ― 地球上で確認されている多様な鉱物たち レアメタルから宝石まで ― 資源としての重要性と美しさの両面を持つ鉱物 人体に悪影響を与える鉱物 ― 知っておきたい健康へのリスク 水銀・ヒ素・カドミウム・鉛の実害の具体例 ― 過去の事例から学ぶ鉱物の“負の側面” 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 題名「鉱物の神秘 Vol.2」 開催日時:2025年7月24日(木) 12時~13時 費用:無料 定員:100名 講師:株式会社ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊 この投稿をInstagramで見る La Belle Vie(@labellevie_mineral)がシェアした投稿 ※お申込みには予医手帳の登録が必要です。 予医手帳はこちら 予医手帳会員登録後、ログインして「お申込み」メニューより参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。 ●申込方法イメージ鉛製の銃弾 鉛汚染はわんこのおやつにも? 07月09日
鉛の毒性は、有害金属の中でもトップクラス。 でも、安価で加工しやすいため、世界中で古くから利用されてきました。 鉛製の銃弾による鉛汚染 猟に使われる鉛製の銃弾は、シカなどの捕獲によく使われているそうです。 有害鳥獣対策としてシカの猟は行われていますが、そのときに使われる鉛製の弾丸が、死んだシカの体内に残り、放置されたシカの肉をワシなどの猛禽類が食べ、鉛中毒になることが問題となっています。 野鳥に広がる鉛中毒 鳥類の鉛中毒が問題となったのは1990年代以降。 北海道では、白鳥やガンが鉛中毒によって大量死しました。 水鳥は消化を助けるために小石を飲みこむ習性があります。そのため、環境に放置された鉛弾を誤って飲みこみ、中毒を起こします。 また、国の天然記念物で、絶滅危惧種であるオジロワシをはじめとする猛禽類は、死んだシカの肉を食べ、鉛中毒になることが多いそうです。 鉛弾の規制は? 近年、鉛を使わない弾への移行が世界的に推奨・義務化されつつあります。 北海道では、10年以上前から全国に先駆けて鉛製の銃弾の規制をしています。 環境省では、2030年までに鉛弾による猛禽類を含む全ての鳥類の鉛中毒をゼロにするという目標を表明し、2025年から段階的な規制を開始します。 シカなど哺乳類の狩猟は規制外 鉛弾の規制は、鳥類保護の観点から行われているもので、現時点では、シカなど哺乳類に対する鉛弾の全国的な使用禁止は行われていません。 しかし、環境省は、鉛による環境汚染や、肉の汚染問題(食肉汚染)を考慮し、鉛を使わない弾への切り替えを推奨しています。 また、地方自治体や一部の猟友会によっては、自主的な申し合わせや、特定の猟場での鉛フリー弾の使用奨励・義務付けが行われているところもあります。 鳥類だけの問題ではない 犬などのペット向けに鹿肉のジャーキーなども販売されていますが、そのシカの猟に鉛弾が使われているのか表示はほとんどありません。 鉛弾で仕留められたシカの肉は鉛に汚染される可能性が非常に高く、それが問題視されています。 鉛弾は、動物の体内で高速で筋肉や骨などの組織に衝突すると、非常に細かく砕け散ります。鉛は比較的柔らかい金属なので、特に破砕しやすい性質があります。 この砕けた鉛の微細な破片は、弾丸が貫通した傷口の周囲だけでなく、弾丸が通過した軌道や、その衝撃で圧力がかかった周辺の広範囲の肉の中にまで飛散します。 また、動物の体内で鉛片が溶け、腸内や肉の組織に鉛が拡散することもあります。 鉛の毒性はとても強い 鉛には閾値(いきち)がありません。 閾値とは、このくらいの量までならとっても健康に問題ないです、という量のこと。 その閾値がないということは、たとえ少量であっても鉛が健康に影響しないとは言えないということです。 鉛の毒性 鉛は強い毒性を持ち、特に造血系、神経系、腎臓に悪影響を与えることがわかっています。 特に脳と神経系に大きな影響を与え、子どもの知能指数低下、多動性、衝動性、注意力低下、情緒不安定などがメンタルヘルスへの影響のほか、子供時代の鉛の濃度が高いほど、誠実性が低く、神経症的傾向が強いという研究もあります。 また、飲食物から鉛を摂取した際の消化管からの吸収量は成人が5~10%であるのに対し、小児では約40%と高くなっています。 発育中の神経系は鉛による障害を受けやすいため、胎児や乳幼児への影響が懸念されています。 20年以上体内に残ります ヒトでの鉛の生物学的半減期は約20年。 「生物学的半減期」とは、体内に取り込まれた物質が、代謝や排出などにより半分になるまでの時間のことです。 体内に取り込まれた鉛は90%以上、骨に沈着します。そのため、体内から排泄されにくく、長期間にわたり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために 鉛製銃弾の規制は、環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために不可欠な取り組みです。 完全に鉛の弾を使わないようにするには、無鉛弾へのスムーズな移行を促すための施策がより一層、求められています。沖縄の「ウナイ」たちが立ち上がる!PFAS汚染のドキュメンタリー 07月08日
最近、メディアで「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にする機会が増えましたね。私たちの身近な生活用品にも使われてきたPFASですが、その有害性が明らかになるにつれて、世界中で規制の動きが加速しています。 先日のブログでもお伝えしましたが、イタリアでは、PFAS汚染をめぐり、三菱商事の元関連会社役員らに有罪判決が下されるという衝撃的なニュースがありました。 このように国際的にも注目が集まるPFAS問題ですが、実はここ日本、特に沖縄でも深刻な汚染が進行しているのをご存知でしょうか? 「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」沖縄の女性たちの闘いを描く 今回ご紹介するのは、そんな沖縄のPFAS汚染問題に焦点を当てた新作ドキュメンタリー映画「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かうhttps://unai-pfas.jp/」です。 沖縄の地で何が起きているのか? この映画が記録しているのは、2016年に沖縄の水道水からPFASが検出されたという県の発表から始まる一連の出来事です。PFASは、水や油をはじく性質を持つ有機フッ素化合物の総称で、焦げ付かないフライパンや防水スプレー、半導体、泡消火剤など、私たちの生活に密接に関わる様々な製品に使われてきました。しかし一方で、発がん性などの人体への有害性が問題視されており、世界各地で規制が進められています。 沖縄では、汚染源と見られる米軍基地への立ち入り調査が度々拒否されてきました。そんな状況下でも、「子供のために諦めるわけにはいかない」と、声を上げる女性たちが連帯し、国連にまで訴えを届けようと奮闘する姿が本作には映し出されています。 タイトルの「ウナイ」とは、沖縄の言葉で「女性たち」を意味します。監督を務めたのは、「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」などで知られる平良いずみさん。平良監督自身も、新生児の母として「生まれたばかりの息子に水道水で作ったミルクを与えていた」ことを知り、「絶対、許さない」という強い思いから撮影に至ったと言います。 国境を越える女性たちの連帯 そして、この映画の注目すべき点は、沖縄の事例だけでなく、前述のイタリアでのPFAS汚染問題についても取材し、現地の当事者たちの声も記録されていることです。平良監督は「気付いた時には、世界の至る所で汚染問題の解決を求め立ち上がった女性(ウナイ)たちに出会い、言葉の壁を越え想いが通じ合う瞬間を何度も経験しました。汚染問題に直面した彼女たちはどう生きたか……。」と語っています。 絶望を希望に変える「ウナイ」たちの姿 「この先、この社会がきらいになりそうな人にこそ見てほしい。絶望の涙を、ひとしずくの希望にかえて立つ女性たちの姿を」という平良監督のメッセージは、私たちに深く響きます。 「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」は、7月26日に沖縄・桜坂劇場で先行公開された後、8月16日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開されます。 彼女たちの闘いは、私たち自身の未来にもつながる、決して他人事ではない問題です。07月07日
予医手帳 毛髪中テストステロン値 10.5pg/mg 男性力年齢 25歳 コメント テストステロン値は、年齢より若い層の水準に近く、内面的な“若さ”や体内環境が若々しく保たれている可能性を示唆しています。この若々しい状態を保つには、今の生活習慣を無理なく継続していくことがポイントです。引き続き睡眠・運動・食事などの健康管理を意識しましょう。 1.テストステロンとは? テストステロンは、卵などの食品に含まれるコレステロールを材料として、体内で生合成される男性ホルモンの一種です。合成されたテストステロンは血中に分泌され、全身のさまざまな組織に作用します。男性の場合、テストステロンの約95%は精巣(ライディッヒ細胞)で、残りの約5%は副腎皮質で合成されているとされています。血液中に分泌されたテストステロンは遊離型、アルブミン結合型、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)結合型と3つの形態に分類されます。 遊離型テストステロン 全体の約1~2%を占め、タンパク質に結合していないため、組織に取り込まれやすく、生物活性が最も高いとされています。 アルブミン結合型テストステロン 血清中のタンパク質の「アルブミン」と結合しており、全体の約25〜65%を占めます。結合は比較的ゆるやかで、一部は必要に応じて遊離型に戻り生体で利用されます。 SHBG(性ホルモン結合グロブリン)結合型 血液中のSHBGと強く結合して存在しているため、直接的な作用がない不活性型とされています。 2.年齢とテストステロンの関係 男性のテストステロン値は、加齢とともに徐々に減少していくのが一般的で、これは自然な生理現象です。おおよそ年間1〜2%のペースで減少するとされており、60代になると20代のピーク時と比較して約半分程度にまで低下するといわれています。テストステロンが低値になると、糖尿病や高血圧やメタボリックシンドローム、動脈硬化など、生活習慣病のリスク要因となることが報告されています。特に40代以降の男性にみられる「男性更年期障害(LOH症候群)」の主な原因は、テストステロンの過度な減少によって引き起こされる症状です。そのため、テストステロンの低下は単なる加齢現象だけではなく、心身の健康や生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があるため、適切な対策や意識が必要となります。 3.テストステロンが低くなる要因 体重 一般的に、肥満の男性ほどテストステロンの量は少ないとされています。特に内臓脂肪の蓄積は、ホルモンバランスに悪影響を及ぼしやすく、テストステロンの合成や代謝を阻害する要因となる可能性があります。 海外では、テストステロン欠乏症の検査を受けた男性3671名(60±12歳)を対象に、年齢とBMI及びSHBG結合型テストステロンの関係について解析されています。その結果、対象者の年齢とBMI(体格指数)をそれぞれ3等分し比較したところ、加齢に関らずBMIが増加するほどSHBG結合型テストステロンが低下する傾向があることが明らかにされています。 また、平均年齢52歳の男性864名を対象に行われた調査では、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満・高血糖・高血圧・脂質異常などを含む)を有する男性は、健康な男性と比較してテストステロン値が有意に低いことが明らかになっています。そのほか、多くの研究で体重や体型とテストステロン値の間に同様の傾向があることが報告されています。体重の増加やBMIの上昇は、体格の変化だけではなく、生理的なストレスとなりテストステロンの合成や代謝プロセスに影響を及ぼす可能性があります。 運動 テストステロンは適度な運動によって分泌が促進されることが知られており、運動不足の状態ではテストステロンの分泌が低下する可能性があります。特に、筋力トレーニングや有酸素運動を定期的に行うことで、血中のテストステロン濃度を上昇させる効果があります。しかし、過度な運動や慢性的なオーバートレーニングは、むしろテストステロンを減少させてしまう可能性も指摘されています。実際に、毎週60km以上を走る習慣のある男性(31名)と、運動習慣のないデスクワーク中心の男性(18名)を比較した研究では、デスクワーク中心の男性の方が血中テストステロン濃度が高かったという結果が報告されています。さらに、マラソンやトライアスロンなどの持久系競技に取り組む男性アスリートの一部においても、慢性的な肉体的ストレスによってテストステロンが低下しているケースが確認されています。 睡眠 テストステロンは、主に睡眠中に分泌が促進されるホルモンであり、特に体が十分に休息・回復することで、朝方に最も高い血中濃度を示すのが一般的です。そのため、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)など、睡眠障害を抱える人では、テストステロン値が低下する傾向があることが確認されています。ある研究では、1週間にわたり1日5時間未満の睡眠に制限したところ、十分な睡眠をとった場合と比較して、テストステロンの血中濃度が10〜15%減少したという結果が得られています。このホルモンの減少は、10〜15歳分の加齢による変化に相当するレベルと推定され、睡眠不足がテストステロンに与える影響が大きいことを示しています。 喫煙 喫煙がテストステロンの分泌に与える影響については、現在も明確な結論は出ていません。一部の研究では喫煙によりテストステロン値が上昇すると報告されている一方で、逆に低下するという研究結果もあります。喫煙の影響が個人の体質やホルモンバランス、喫煙歴・喫煙量、年齢や生活習慣など複数の因子によって異なるためと考えられます。ただし、喫煙が健康全般に与える悪影響は明確であり、ニコチンは毛細血管を縮小させ血液の流れを悪くし、酸化ストレスを増大させます。これらの要因は、テストステロンの分泌や生殖機能、男性ホルモンのバランス維持などに悪影響を及ぼす可能性が高いと考えられます。 4.テストステロンが低い場合のリスク テストステロンは、筋肉量と強度を保つのに必要なだけではなく、内臓脂肪を減らし、造血作用、生殖機能を保つのに必要です。また、集中力やリスク判断などの精神機能にも関係しています。一方で、テストステロンが低下するとインスリン感受性が悪くなり、メタボリックシンドロームになりやすく、内臓脂肪増加や筋肉量減少、骨密度減少、認知機能など多岐にわたるリスクとなります。これらの影響は、特に40~60代の男性に発症しやすい「男性更年期障害(LOH症候群)」として現れることがあり、その主な原因は加齢に伴うテストステロンの分泌低下と考えられています。 5.テストステロンが過度に高い場合のリスク テストステロンは筋肉量の増加や健康的な体形や活力の維持などに役立ちますが、過剰なテストステロンの状態が続くと健康上のリスクが高まります。主な影響は、心臓や血管への負担、前立腺の肥大、副腎への影響によるホルモンバランスの乱れ、感情の不安定化などが考えられます。 また、病気の治療に使用される量で問題を起こすことはほとんどありませんが、タンパク質同化ステロイドやテストステロン補充療法により、テストステロンが過剰に高くなる可能性があります。 6.テストステロンを増やし維持するには? 運動 高いレベルの身体活動量や、ウォーキングやジョギングを中心とした有酸素性運動は、血中テストステロン濃度の増加に重要な役割を果たすとされています。 特に、血中テストステロン濃度の改善を目的とした運動療法では、1回あたり40〜60分程度の有酸素性運動を週に3日以上継続して実施することが推奨されています。このような習慣的な運動が、ホルモンバランスの正常化や生活習慣病予防にも寄与します。 また、有酸素運動の中でも、比較的強度の高い速めのウォーキングや軽いジョギングといった中強度の運動が、テストステロン分泌をより効果的に促進する可能性があると指摘されています。 さらに、有酸素性運動能力や筋力が高いことは、加齢に伴う男性ホルモン低下症(LOH症候群)における諸症状に対して、保護的に作用することが報告されています。 また、病気の治療に使用される量で問題を起こすことはほとんどありませんが、タンパク質同化ステロイドやテストステロン補充療法により、テストステロンが過剰に高くなる可能性があります。 食事 肥満や糖尿病は、テストステロンの分泌を低下させる要因であり、食生活はその背景に深く関与しています。近年の研究では、食事の内容がテストステロンの分泌に影響を与えることも明らかになってきています。 例えば、低脂肪食や植物性食品を中心としたカロリー制限食によってテストステロンが上昇することが報告されています。一方、極端なカロリー制限はテストステロン低下の原因となる可能性があるため注意が必要です。 また、特定の食品がテストステロンに及ぼす効果についての研究は限られており、明確なエビデンスは少ないのが現状です。食事のみでテストステロンを増やすことは難しく、運動と組み合わせることでテストステロンの上昇が期待できます。 脂肪分が多い魚 イワシやサーモンなど脂肪分の多い魚には、ビタミンD、亜鉛、オメガ3脂肪酸などのホルモン分泌に必要な栄養素が豊富に含まれています。また、テストステロンを維持するために重要な亜鉛とビタミンDの優れた供給源でもあります。 濃緑色野菜 緑色野菜の摂取量が少ない人は、血液中のテストステロン値が低い傾向にあり、テストステロンが体内で十分に作られない性腺機能低下症を発症するリスクが高かったとの報告があります。 例えば、ホウレン草やニラ、チンゲン菜、ブロッコリー、ピーマン、春菊、モロヘイヤなどが該当します。 アボカド アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど栄養価の高く、良質な脂質が豊富に含まれている野菜です。 特に豊富に含まれているビタミンEは、テストステロンの分泌を促す黄体形成ホルモンを上昇に関係していることが確認されています。 また、含有量の多いホウ素は、体内のテストステロン代謝に影響を与え、テストステロンの劣化を防ぐ可能性が指摘されている微量成分です。 卵 卵は良質な脂質やタンパク質のほか、体内で抗酸化物質として働くセレンが含まれています。不妊男性がセレンを3か月間毎日50µgのセレンを摂取したところ、血液中のテストステロンや黄体形成ホルモンが増加したと報告されています(成人男性推奨摂取量:30~35µg/日、耐用上限量400~450µg/日)。また、セレンは特定の遺伝子の発現を活性化することで、テストステロンの生成を促進する可能性があります。 貝類 アサリやシジミ、牡蠣などの貝類に多く含まれる亜鉛は、テストステロンの分泌を促す、黄体形成ホルモンの合成に関与しています。また、食事中の亜鉛の増減によってテストステロン増減し、血液中の亜鉛とテストステロン濃度に相関することが報告されています。 睡眠 テストステロンの分泌は日内リズム(サーカディアンリズム)に従って変動しており、早朝(特に起床直後)に最も高くなることが知られています。これは、夜間の深い睡眠中にテストステロンの合成が促進されるためであり、質の良い睡眠が十分に確保されていることが、正常なホルモン分泌には不可欠となります。 また、テストステロンをはじめとするホルモンの多く、たとえばメラトニン(睡眠誘導ホルモン)や成長ホルモン(筋肉・骨の修復・代謝に関与)も、夜間に分泌が増加することがわかっています。 とくにテストステロンの合成が活発になるのは、深夜1~3時頃の睡眠中の時間帯になります。この時間を含めて6時間以上の連続した質の高い睡眠をとることが、テストステロンの安定した分泌を促すために必要となります。 7.テストステロンとサプリメント テストステロンの分泌は、加齢や生活習慣、ストレス、睡眠、栄養状態など、さまざまな要因の影響を受けて変動します。特に栄養素の不足は、ホルモン合成に必要な酵素や補因子の機能低下を引き起こし、テストステロンの低下を招く可能性があります。 近年では、こうした背景をふまえて、特定の栄養素や成分を補う目的でのサプリメント摂取が注目されています。 ただし、サプリメントはあくまでも栄養補助の手段であり、食事や運動、睡眠といった生活習慣の改善が基本となります。 亜鉛 男性において、亜鉛は前立腺や精巣などの性腺組織に高濃度に存在し、性ホルモン(特にテストステロン)の合成や精子の生成に深く関与しています。 亜鉛とテストステロンの関係についてはよくわかっていませんが、毛髪中の亜鉛濃度が高い男性ほど、血液中のテストステロン濃度が高い傾向があると報告されています。 また、臨床研究や動物実験といった複数の論文を統合して分析した報告では、「亜鉛とテストステロンには正の相関がある」と結論づけられています。この報告によれば、亜鉛が欠乏するとテストステロンの量が低下し、亜鉛を補給することでその濃度が回復することが確認されています。 ただし、動物実験では亜鉛の投与が生理的範囲内であればプラス効果が得られたのに対し、過剰投与では逆に男性機能に悪影響を及ぼしたという報告があります。 そのため、亜鉛は不足しないように適量を維持することが重要であり、サプリメントで補う場合も推奨摂取量(成人男性推奨量9.0~9.5µg/日、耐用上限量40~45µg/日)を守ることが大切です。 マグネシウム マグネシウムは体内で300種類以上の酵素反応に関与し、ホルモンバランスや内分泌系の調節に重要な役割を果たしています。 ある研究では、マグネシウムの補給(体重1kgあたり10mg)が運動する男性と運動不足の男性の両方でテストステロン値が上昇することが確認されています。この報告では、特に定期的に運動している男性において、顕著にテストステロン値が上昇したと報告されています。 ビタミンD ビタミンDは骨の健康だけではなく男性の生殖機能にも関与していることが知られています。これは、精巣のライディッヒ細胞(テストステロンを産生する細胞)に、ビタミンDを活性化する酵素が多く存在するためと考えられています。 ある研究では18.4~21.8歳の男性300名を対象に血液中のビタミンDと精子の運動性について調査した結果、血液中のビタミンD濃度が高いほど、精子の運動率や前進運動率が有意に高いことが報告されています。 また、別の研究では、健康な肥満男性165名に対して1日83μgのビタミンDを1年間補給ところ、血液中のテストステロン値が有意に上昇したことが確認されています(成人男性目安量9.0µg/日、耐用上限量100µg/日)。 マカ マカは南米に植生する多年生植物の根を使用したサプリメントです。マカエキスを含む清涼飲料水の摂取により、男性更年期障害チェックシート(AMSスコア)の有意な上昇が観察されています。その一方で、マカを摂取してもテストステロン値に変化が見られなかったとの報告もあります。 カルニチン カルニチンは肉類の赤身に多く含まれるビタミン様物質です。カルニチンの摂取はテストステロン値に影響を及ぼさなかったと報告されていますが、動物実験ではテストステロン値を上昇させるとの報告があります。 コエンザイムQ10 コエンザイムQ10(ubiquinone)は食肉に多く含まれるビタミン様物質です。コエンザイムQ10の300mg摂取によりテストステロン値に上昇傾向がみられたと報告されている一方、300mg摂取しても変化がみられなかったとの報告もあります。 クレアチン クレアチンは筋肉へのエネルギー供給にかかわる有機酸の一種であり、筋肉増強目的のサプリメントに含まれることがあります。クレアチニンとβアラニンの併用でテストステロン値を上昇させたとの報告はありますが、多くの論文で変化が見られなかったと報告されています。 ニンニク 生のニンニクを多量に摂取すると精巣機能を低下させ、逆にテストステロン値を低下させることが報告されています。ニンニクにテストステロン値を上昇させる効果があるかどうかについては、ヒトでの報告が少ないのが現状です。 プロバイオティクス プロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌など腸内環境を改善し、健康に良い影響を与える微生物のことです。動物実験でプロバイオティの摂取により、テストステロン値の上昇が確認され、ヒトでも同様にテストステロン値の上昇が報告されています。 ローヤルゼリー ロイヤルゼリーはミツバチが分泌する乳白色のクリーム状物質です。動物実験でロイヤルゼリー摂取自体でのテストステロン値の上昇が認められています。ヒトでもロイヤルゼリー3gを6ヵ月間摂取するとテストステロン値が上昇したとの報告があります。 フェヌグリーク フェヌグリークはハーブや香辛料としてインドや中東・アフリカで栽培されているマメ亜科の植物です。フェヌグリークの摂取によりテストステロン値が上昇することが複数の論文から検証した報告で示されています。動物実験ではカドミウムによるテストステロン値の低下を抑制することも報告されています。 8.その他オススメの検査 毛髪コルチゾール検査 テストステロンとコルチゾールは、体内で拮抗する関係にあります。ストレスホルモンであるコルチゾールが高いと、テストステロンの分泌が抑制されることが多くの研究で示されています。 たとえテストステロン値が正常であっても、コルチゾールが高い状態が続くと、筋力低下・疲労感・睡眠の質の低下・体脂肪の増加といった、将来の健康に影響するリスクが高まる可能性があります。 テストステロン検査とあわせてコルチゾールもチェックすることで、ホルモンバランス全体を正しく把握でき、より効果的な予防・対策が可能になります。 毛髪ミネラル検査 ミネラルは、テストステロンの合成や代謝に関与する重要な栄養素です。 亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが不足していると、いくら食事や運動に気をつけていても、ホルモンがうまく働かず、疲れやすさや活力の低下が続く可能性があります。 また、鉛・カドミウムなど有害金属の蓄積があるとホルモンバランスに影響を与えることもあります。 テストステロン検査と毛髪ミネラル検査をあわせて行い、ホルモンとミネラルの両面を確認することで、より深くご自分の体を理解することができるようになります。水筒で銅中毒に! 07月04日
暑い季節がやってきました。 この時期、熱中症予防のために水筒に飲み物を入れて持ち歩く方も多いと思います。 でも、それが銅中毒を引き起こしたという事故があります。 銅は必須ミネラルだけど、、、 銅は、生きていくうえで欠かせないミネラルの一つです。 でも、過剰に摂ると吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあります。 水筒で?! 銅は実際に起きた事故 2020年、大分県の高齢者福祉施設で、古いステンレス製のやかんでイオンドリンク(スポーツ飲料)を作り飲んだところ、施設利用者13名全員が嘔吐・はき気症状を起こし、その後の調査で銅中毒だと判明しました。 2008年には、水筒に入れたスポーツ飲料により、水筒の金属に含まれる銅が溶けだし、銅中毒事故が起きています。 ステンレスに含まれる銅が酸性のイオンドリンクによって溶け出したために起こったものです。 ステンレス製の水筒にスポーツ飲料を入れて部活の練習に行く子供にもたせる、なんて、すごくよくあることなのに! さらにっ 2010年には、保育園でアルミ製のやかんに入れた乳酸菌飲料を飲んだ園児15人が、銅中毒になっています。 このやかんには銅は使われていませんでしたが、日常的にお湯を沸かすために繰り返し使われていたため、水道水に含まれる微量の銅がやかんに蓄積されていたそうです。 →そのやかんに乳酸菌飲料を入れ→乳酸菌飲料の酸で銅が溶けだしたために起こった事故と考えられています。 金属製の容器に酸性の飲み物を保存するのは、避けたほうがよさそうですね。 鍋でも! 銅の鍋とかフライパンとか、すごくプロってイメージありませんか? ピカピカに磨かれた銅鍋がずらーっと並んでいる高級フレンチレストランのキッチン! 銅は、熱伝導率が高く、蓄熱性にも優れているため、優れた調理器具としてプロに愛用されています。 でも、銅製の鍋でも銅中毒が起こっています。 とあるお弁当屋さんで、銅中毒が発生したのです。 この店では普段、銅の鍋で小豆を煮ていたそうですが、その鍋を使って焼きそばを作ったところ、焼きそばのソースの酸で銅が溶けだし、集団食中毒になってしまったとのことです。 現在販売されている銅の調理器具や食器は、食品が直接銅に触れないようにメッキをしなければいけないと食品衛生法で定められています。 銅鍋の内側が銀色なのはこのためなのですね。 しかし、金属のたわしでゴシゴシこすったり、酸性の食品を長時間煮込んだり、保存したり、空焚きをしたりすることで、メッキがはがれて食品が銅に触れてしまう場合があるそうです。 台湾では、死亡事故も また、こちらは「銅」とされたわけではないのですが、台湾で、約10年間、同じ保温ボトルを使い続けた男性が「重金属中毒」で亡くなったと報じられました。 この男性は、水筒の内部がサビていることに気がついていたにも関わらず、コーヒーやジュースなどの酸性飲料を入れていたそうです。 報道では「重金属」とされ、鉛などの可能性も指摘されていますが、どちらにしても、酸性飲料が金属を溶かして中毒を起こした事例です。 食中毒の季節ですが、銅中毒にもご注意を! ますは、金属製の容器に酸性の飲み物を入れない。 銅製の調理器具を使用する場合は、 調理後はすぐ陶器やガラス製など金属製以外の別の容器に移す 酸性の強い食品での長時間調理・保存は避ける 空焚きしない たわしなどでこすらない ちなみに、 酸性の飲み物とは スポーツ飲料・乳酸菌飲料・果汁・炭酸飲料など 酸性の強い食品とは 酢 柑橘類全般: レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど。 ベリー類: イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど。 パイナップル、キウイ、リンゴ トマトとその加工品: トマトソース、トマト缶、ケチャップなど。 カレーや一部の香辛料 ワイン、ビール、日本酒などの酒類 炭酸飲料 ヨーグルト、キムチなどの発酵食品 など熱中症は「隠れミネラル不足」に要注意! 07月14日
今年の夏も猛暑が予想されていますね。 消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。 水分補給だけで本当に大丈夫? 「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。 熱中症って、どうして起こるの? 私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。 これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。 ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち 「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。 ナトリウム:水分バランスの司令塔 体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。 カリウム:筋肉や神経のサポーター 細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。 マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち 神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。不足すると、けいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。 カルシウム:骨や歯だけじゃない! 神経や筋肉の働きにも欠かせません。汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。 子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生! 日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。 時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。 注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。 (参考文献:Characteristics of pediatric patients with heat-related illness transferred to emergency departments: descriptive analysis from Japan) 今日からできる!ミネラル補給のポイント では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか? 1. 水分補給は「何を飲むか」が重要! ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。 スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎ ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。 2. 食事からもバランス良く! 毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。 ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。 カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。 マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。 カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。 今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。 特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。青春は貧血の季節? 思春期の鉄不足 07月11日
先日、友人の中学1年生になる息子さんが軽い貧血と診断されました。鉄は、もっとも不足が懸念されているミネラルの一つ。そこで今回は、思春期の貧血についてです。 体は急速に大きくなる思春期は、鉄の必要量が高まります。 また、女子は、月経が始まる人が増え、出血により鉄を失うため、鉄の需要はさらに高まります。 そのため、12歳から17歳の鉄の必要量は、大人よりもずっと多く、貧血になりやすい時期ともいえます。 ほとんどは鉄欠乏性貧血 この時期の貧血は、ほとんどが鉄の摂取不足による鉄欠乏性貧血です。 こんな症状があるなら、鉄が不足しているのかもしれません。 朝起きられない 集中力、注意力が低下している だるい、めまいがする イライラしやすい 頭痛 ※ほかの病気でも、これらの症状がみられることがあります。 スポーツ貧血 さらに、運動が原因で生じる貧血を「スポーツ貧血」といいます。 スポーツをする人特有の原因としてこれらがあげられます。 ① 鉄の需要が高まる 成長や筋肉量が増えると、必要とする鉄の量も増えます。② 鉄の摂取不足 必要量が増えているのに、食事などから摂取する鉄が少ない③ 溶血(赤血球が壊れる) ランニング、バレーボール、バスケットボール、剣道など足の裏への強い刺激が繰り返される競技では、足の裏の毛細血管が壊れ、貧血になることがあります④ 失われる鉄が増える 大量の汗をかくと、わずかに汗に含まれる鉄も一緒に失われます。 鉄の貯蔵庫 鉄は、体でいろいろな働きを担う重要な栄養素なので、鉄が不足した場合にそなえて貯蔵庫を持っています。 それが肝臓です。 肝臓にはフェリチンをいわれる鉄が貯蔵されています。 食事などからとる鉄の量が不足すると、肝臓からフェリチンを放出して、体が必要とする鉄の量を維持します。 え?貧血と診断された? それはつまり、鉄の摂取量が不足する状態が続き、貯蔵してある鉄も使い果たしてしまったという状態なのです。 貧血にならないために まずは食事。食品に含まれる鉄には、赤身の肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類、豆類などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収率が良く、胃壁や腸管を荒らしにくく、さらに、食物繊維やタンニンと一緒に摂っても吸収が妨げられにくいという特徴があります。でも、日本人が食事から摂取する鉄の85%以上は吸収率の低い非ヘム鉄です。鉄不足を効果的に予防するためには、非ヘム鉄だけでなく、吸収性の高いヘム鉄が豊富な食品をバランスよく摂取することです。 鉄を吸収しやすくする ビタミンC ビタミンCは、鉄(非ヘム鉄)の吸収を促進します。ビタミンCを豊富に含む食品(オレンジ、レモン、イチゴ、トマトなど)を食事に追加することで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます。 酢や酸味のある調味料 酢やレモン汁などの酸味のある調味料も非ヘム鉄の吸収を促進します。食事にこれらの調味料を加えることで、鉄の吸収が改善されます 鉄を豊富に含む食品と組み合わせる ヘム鉄を豊富に含む食品(赤身の肉、鶏肉などの動物性食品)と一緒に非ヘム鉄(豆類、ホウレン草などの植物性食品)を摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を向上させることができます。 サプリメントでの摂取には注意が必要 食事で鉄を過剰に摂ってしまうことはほとんどあり得ませんが、サプリメントでの鉄の摂取には注意が必要です。鉄は、過剰になると体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけます。鉄のサプリメントは医師の処方以外ではあまりおススメできません。 鉄の吸収を阻害するもの カルシウム: カルシウムは鉄と化学的性質が似ているため、鉄の吸収を阻害することがあります。牛乳を毎日、大量に飲んで貧血になることを「牛乳貧血」と名付けられています。もちろん、カルシウムは大切な栄養素の一つなので、適切な量のカルシウムをとることはとても大切です。 タンニン: コーヒーや紅茶、煎茶などに含まれる「タンニン」は、鉄(非ヘム鉄)の吸収を阻害する成分の一つです。 タンニンが鉄と結合して水に溶けにくくなるので、食事中や食事の直後に摂るのは避けましょう。 フィチン酸: フィチン酸は、穀類や豆類などの外皮部分に多く含まれ、体内に入ると鉄や亜鉛と強く結合し、水に溶けない不溶性の成分に変化するため、吸収されずそのまま排泄されてしまいます。健康や美容のために玄米を主食としている人は、鉄が効率よく吸収されない可能性もあるので注意する必要があります。 シュウ酸:シュウ酸は非ヘム鉄と結合して、鉄の吸収が阻害されることがあります。シュウ酸は、穀物や一部の野菜に比較的高い濃度で含まれています。たとえば、ホウレン草やタケノコのアクに多く含まれますが、シュウ酸は水溶性なので、下茹でをしてアク抜きをすると70~80%のシュウ酸が水に溶けだします。 誤ったダイエットは禁物 その他に、このころから特に女の子のダイエットが多くなります。 極端に食事を減らしたり、偏った食事になったりすることで、成長に必要な栄養素がとれなくなることもあります。 心と体が急速に成長する思春期にこそ、バランスの良い食生活を送らせてあげたいですね。【書籍紹介】飼い主が獣医師を超えた日 07月10日
ら・べるびぃ予防医学研究所で「愛犬ミネラル検査プレミアム」「愛猫ミネラル検査プレミアム」のアドバイスをお願いしている サニーズアニマルクリニック院長・櫻井先生の書籍が発売されました。 書籍はこちらからです。(kindleのみです) 飼い主が獣医師を超えた日 Amazonで紹介されていた本書の「はじめに」がステキだったので、そのまま転載させていただきます。 ▼今まで諦めずにここまできた飼い主さんへ・すでにいくつも動物病院へ行って、何かしらの改善策を実施したけど、改善しない。・ペットのために、いろいろ手を尽くせば尽くすほど、身も心も疲弊してしまっている。・獣医さんに「治らない病気」と言われても納得できず、治る方法は本当にないのか?と思ってしまう。でも、こんな自分の考えや行動がおかしいのか?とも思うから、周りに聞くこともできない。こんなに悩んでいるのは私だけ?こんなに獣医師に不信感を抱いているのは私だけ?周りは敵だらけ…そんなふうにいつの間にか孤独感にさいなまれている…実は、そんな飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。そんな風に、不安の中で孤独に、 あなたは今まで、どれだけ頑張ってきましたか?この本を開いた今日が、あなたとその子の新しい記念日です▼治療の主役は飼い主である勤務医時代、僕は毎日、対症療法で再発を繰り返す動物たちと向き合っていました。抗生剤、ステロイド、ケイレン止め、ホルモン剤――その場限りの手術に、副作用の強いワクチン…。痒み止めの薬を飲めば痒みは止まるかもしれない。でも薬をやめればまた痒みは再発する。ケイレン止めの薬を飲めばケイレンは治るかもしれない。でも薬をやめればまたケイレンは再発する。パテラ(膝蓋骨脱臼)で膝の手術をすれば膝は外れなくなるかもしれない。でも筋肉によって関節が保護されたわけでも筋肉が付きやすくなったわけでもないから、また次の関節の疾患になっていったり、筋肉の低下が生じ動きが悪くなれば、全体的な動きは低下し、それにより消化器の機能も落ちて、次は膵炎になっていったりする…。治す立場でいながら、「治していきましょう」と言いながら、心の中では治らないことを知っています。繰り返すことを知っています。また時間が経てば、忘れた頃に違う症状になって出てくることを知っていました。何よりも…飼い主さんがこころから笑っていないことを知っていました。そんな毎日に、僕の心は少しずつ蝕まれていきました。「本当に、これでいいのか?」そこから「本当の意味での治療とは?」を飼い主さんと模索する日々が始まりました。その中でペットの病気を治す仕組みを発見し、その仕組みを動かす主人公は、専門家である獣医師ではなく、「飼い主」であることが見えてきました。▼見えづらい世界を見えやすくする僕ら専門家の仕事は「見えづらい世界の見えやすくすること」です。今回のこの本では飼い主さんが生み出したうそのような本当の話(根本治療)をご紹介しつつ、その仕組みを説明させていただこうかと思います。これは決してスピリチュアルな話ではありません。 近年の脳科学、量子物理学、行動心理学の分野でも、科学的に証明されているものもあれば、まだわからないこともあります。それらも含めて、できる限りわかりやすく、ご説明させていただければと思います。この本では、そうした科学的な視点からの解説を織り交ぜながら、 飼い主さんが「本当の意味でペットと生きる力」を少しでも手にしていけるように構成させていただきました。伝えきれないこともたくさんありますが、クリニックで根本治療として行っている飼い主さん用のトレーニングなども一緒にお楽しみいただければと思います。今、僕のまわりには 根本治療の中で自らの力を磨き、 ペットの命と向き合い、改善を量産する飼い主さんがたくさんいます。だから、あなたも大丈夫。「飼い主が獣医師を超えた日」それは、誰かの特別な話じゃない。 あなたの本当の物語を、今ここから始めましょう。ようこそ、飼い主さんたちの可能性が広がる世界へ。 書籍はこちらから。(kindleのみです) 飼い主が獣医師を超えた日2025年7月24日 鉱物の神秘 vol.2 07月09日
~身近で奥深い鉱物の世界を覗いてみませんか~ 私たちの暮らしは、実は数えきれないほど多くの「鉱物(ミネラル)」の恩恵に支えられています。乾電池、スマートフォン、家電…普段は意識することのないこれらの多くは鉱物資源から生まれたもの。 しかし、その一方で鉱物の中には、人体に悪影響を及ぼし、時には命を脅かすものも存在します。今回のセミナーでは、鉱物の不思議な魅力とともに、私たちが気をつけるべきリスクについても詳しく解説します。 『鉱物の神秘 vol.2』では以下のテーマを取り上げます。 鉱物(ミネラル)って何? ― 日常生活と鉱物の深い関わりを基礎から解説 鉱物の条件 ― 「鉱物」と呼ばれるための定義とは? 約4000種の鉱物の世界 ― 地球上で確認されている多様な鉱物たち レアメタルから宝石まで ― 資源としての重要性と美しさの両面を持つ鉱物 人体に悪影響を与える鉱物 ― 知っておきたい健康へのリスク 水銀・ヒ素・カドミウム・鉛の実害の具体例 ― 過去の事例から学ぶ鉱物の“負の側面” 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 題名「鉱物の神秘 Vol.2」 開催日時:2025年7月24日(木) 12時~13時 費用:無料 定員:100名 講師:株式会社ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊 この投稿をInstagramで見る La Belle Vie(@labellevie_mineral)がシェアした投稿 ※お申込みには予医手帳の登録が必要です。 予医手帳はこちら 予医手帳会員登録後、ログインして「お申込み」メニューより参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。 ●申込方法イメージ鉛製の銃弾 鉛汚染はわんこのおやつにも? 07月09日
鉛の毒性は、有害金属の中でもトップクラス。 でも、安価で加工しやすいため、世界中で古くから利用されてきました。 鉛製の銃弾による鉛汚染 猟に使われる鉛製の銃弾は、シカなどの捕獲によく使われているそうです。 有害鳥獣対策としてシカの猟は行われていますが、そのときに使われる鉛製の弾丸が、死んだシカの体内に残り、放置されたシカの肉をワシなどの猛禽類が食べ、鉛中毒になることが問題となっています。 野鳥に広がる鉛中毒 鳥類の鉛中毒が問題となったのは1990年代以降。 北海道では、白鳥やガンが鉛中毒によって大量死しました。 水鳥は消化を助けるために小石を飲みこむ習性があります。そのため、環境に放置された鉛弾を誤って飲みこみ、中毒を起こします。 また、国の天然記念物で、絶滅危惧種であるオジロワシをはじめとする猛禽類は、死んだシカの肉を食べ、鉛中毒になることが多いそうです。 鉛弾の規制は? 近年、鉛を使わない弾への移行が世界的に推奨・義務化されつつあります。 北海道では、10年以上前から全国に先駆けて鉛製の銃弾の規制をしています。 環境省では、2030年までに鉛弾による猛禽類を含む全ての鳥類の鉛中毒をゼロにするという目標を表明し、2025年から段階的な規制を開始します。 シカなど哺乳類の狩猟は規制外 鉛弾の規制は、鳥類保護の観点から行われているもので、現時点では、シカなど哺乳類に対する鉛弾の全国的な使用禁止は行われていません。 しかし、環境省は、鉛による環境汚染や、肉の汚染問題(食肉汚染)を考慮し、鉛を使わない弾への切り替えを推奨しています。 また、地方自治体や一部の猟友会によっては、自主的な申し合わせや、特定の猟場での鉛フリー弾の使用奨励・義務付けが行われているところもあります。 鳥類だけの問題ではない 犬などのペット向けに鹿肉のジャーキーなども販売されていますが、そのシカの猟に鉛弾が使われているのか表示はほとんどありません。 鉛弾で仕留められたシカの肉は鉛に汚染される可能性が非常に高く、それが問題視されています。 鉛弾は、動物の体内で高速で筋肉や骨などの組織に衝突すると、非常に細かく砕け散ります。鉛は比較的柔らかい金属なので、特に破砕しやすい性質があります。 この砕けた鉛の微細な破片は、弾丸が貫通した傷口の周囲だけでなく、弾丸が通過した軌道や、その衝撃で圧力がかかった周辺の広範囲の肉の中にまで飛散します。 また、動物の体内で鉛片が溶け、腸内や肉の組織に鉛が拡散することもあります。 鉛の毒性はとても強い 鉛には閾値(いきち)がありません。 閾値とは、このくらいの量までならとっても健康に問題ないです、という量のこと。 その閾値がないということは、たとえ少量であっても鉛が健康に影響しないとは言えないということです。 鉛の毒性 鉛は強い毒性を持ち、特に造血系、神経系、腎臓に悪影響を与えることがわかっています。 特に脳と神経系に大きな影響を与え、子どもの知能指数低下、多動性、衝動性、注意力低下、情緒不安定などがメンタルヘルスへの影響のほか、子供時代の鉛の濃度が高いほど、誠実性が低く、神経症的傾向が強いという研究もあります。 また、飲食物から鉛を摂取した際の消化管からの吸収量は成人が5~10%であるのに対し、小児では約40%と高くなっています。 発育中の神経系は鉛による障害を受けやすいため、胎児や乳幼児への影響が懸念されています。 20年以上体内に残ります ヒトでの鉛の生物学的半減期は約20年。 「生物学的半減期」とは、体内に取り込まれた物質が、代謝や排出などにより半分になるまでの時間のことです。 体内に取り込まれた鉛は90%以上、骨に沈着します。そのため、体内から排泄されにくく、長期間にわたり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために 鉛製銃弾の規制は、環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために不可欠な取り組みです。 完全に鉛の弾を使わないようにするには、無鉛弾へのスムーズな移行を促すための施策がより一層、求められています。